日工会の稲葉会長は現状を「調整局面から回復局面の転換期」との認識を示した(23日、東京都港区)

日本工作機械工業会(日工会)が23日発表した4月の工作機械受注総額(確報値)は、前年同月比9%減の1209億円だった。国内外で設備投資に対する企業の慎重姿勢が響き、16カ月連続で減少となった。地域別では中国で自動車向けが回復しつつあり、アジア向けが16カ月ぶりに増加に転じた。

アジア向けは2%増の419億円だった。同地域の受注額の6割は中国が占める。景気減速の影響で先行きに不透明さはあるものの、23日に記者会見した日工会の稲葉善治会長(ファナック会長)は「中国で工作機械の動きが活発になっており、需要が底入れしている可能性もある」と指摘した。

北米向けは15%減の227億円だった。電気・精密向けなど3業種が伸びたものの、航空・造船・輸送用機械向けの受注キャンセルの発生が影響した。欧州向けは18%減の169億円だった。国内向けは13%減の363億円。自動車向けなどの低迷が続く。

日工会は受注の本格回復は24年後半になるとみている。稲葉会長は足元の状況について「調整局面から回復局面に向かう転換期に差し掛かっている可能性がある」との認識を示した。

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