29日の東京債券市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが上昇(債券価格は下落)し、前日終値より0.040%幅高い1.075%をつけた。2011年12月以来、およそ12年半ぶりの高水準となった。上昇が続く長期金利は、住宅ローンの固定型金利や定期預金金利の指標となる。今後、これらの金利の引き上げにつながる可能性がある。

 市場では、日本銀行が金融政策の正常化に向け、国債買い入れの減額や追加利上げに動くとの見方が広がっている。加えて、前日の米ニューヨーク債券市場で、長期金利が4.5%台まで上昇したことも波及した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介氏は「日銀の政策に不透明感があり、投資家が積極的に(国債を)買える状況ではない。買い手がおらず、米長期金利や為替といった外部環境がそのまま上昇圧力につながっている」と指摘する。(久保田侑暉)

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