中国向けの航空貨物が回復した

航空貨物運送協会(東京・中央)がまとめた4月の日本発の航空貨物輸出量(混載貨物ベース)は、前年同月比2%増の6万5709トンだった。3カ月ぶりに前年同月を上回った。欧州向けは振るわなかったが、アジア向けが増え、全体を押し上げた。

目的地別ではアジア・オセアニア向けが7%増え、3カ月ぶりにプラスに転じた。中国向けが22%増と大きく増えた。大手フォワーダー(仲介事業者)によると、半導体関連などで荷動きの回復が続いているという。シンガポール向けは4%増、台湾や香港向けは微増だった。韓国、タイなどは前年を下回った。

米国向けは0.4%減と、2カ月連続のマイナスだった。欧州・中近東・アフリカ向けは9%減と4カ月ぶりのマイナスに転じた。輸送量が域内で最も多いドイツ向けが5%減った。フランス向けは10%増、ベルギー・オランダ・ルクセンブルク向けは17%増えた。

海上輸送では、欧州向けコンテナ船が通航不安のある紅海やスエズ運河を避け、喜望峰を回るといった混乱が起きている。スエズ運河の通航が困難になった23年12月以降、一部の貨物を航空輸送に切り替える動きがあった。喜望峰経由の海上輸送が定着し、代替輸送の需要は落ち着きつつあるという。

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