【ヘルシンキ=林英樹】世界5大自動車ショーのひとつ、ジュネーブ国際自動車ショーを主催・運営する財団は31日、2025年以降ジュネーブでのショーを開催しないと決めたと発表した。理由について、自動車産業をめぐる不確定要素の多さから「将来を見通せず、投資リスクを冒すことができないと判断した」とコメントした。
ジュネーブショーは1905年に始まった。新型コロナウイルス禍の影響と出展企業が集まらなかったことから20〜23年の開催を中止したが、24年2月に5年ぶりに復活した。
ただフォルクスワーゲン(VW)とBMW、メルセデス・ベンツグループのドイツ自動車3社のほか、トヨタ自動車、日産自動車といった日本車大手など世界の主要メーカーが軒並み出展を見送り、中国車メーカーが中心となった。
直近の19年には約60万人が参加したが、開催期間を1週間に延ばした今回は約16万8000人にとどまった。
財団は同日、組織を解散予定であることも公表した。車産業の不確定要素に加え「欧州の車見本市の魅力が低下している」点も廃止の理由としてあげた。欧州車大手が自国の車ショーであるパリや独ミュンヘンを優先するようになったことも運営の打撃となった。
25年11月にカタール・ドーハで開催予定のサブイベントについては「恵まれた環境とユニークなコンセプトで進化している」として実施の意向を示した。
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