富士通はカスタマーハラスメントを疑似体験できるAIツールを開発した

富士通は3日、顧客による迷惑行為「カスタマーハラスメント(カスハラ)」を疑似体験できるツールを開発したと発表した。カスハラに共通する会話のパターンを学習した人工知能(AI)が、臨場感のある会話を再現する。コールセンターなどの従業員の応対技術向上に役立ててもらう。

「自分の損失を強調する」「自分の影響力を誇示する」といったカスハラの会話パターンの特徴をAIに学習させた。カスハラ対応は従業員の心理的負担になる。疑似体験してもらうことで応対の仕方を学べば、負担軽減につながるとみている。

疑似体験後のフィードバックにもAIを活用した。事前に実施したアンケートや、疑似体験中に計測した呼吸数などのデータから従業員の顧客対応に関する特性をAIが推定。顧客に共感を示す対応など、一人ひとりの特性にあったカスハラへの応対方法をAIアバター(分身)が効果的にアドバイスする。

東洋大学で犯罪心理学について研究する桐生正幸教授らと共同で開発した。富士通と東洋大学は今後、コールセンターの従業員などを対象にAIツールを体験してもらい効果を検証する。

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