施設内には油加工の全工程を確認できる試験ラインがある

日清オイリオグループは4日、横浜磯子事業所(横浜市)に新設した研究開発拠点「インキュベーションスクエア」を報道陣に初めて公開した。油を精製したり、加工したりする工程を再現できる試験設備がある。外食チェーンや食品メーカーなど顧客と共同研究しやすい工夫をした。

新設したB棟は3階建てで延べ床面積約2890平方メートルで5月から稼働を始めた。これまで開発の拠点だったA棟(旧技術開発センター)とあわせると、延べ床面積は約7100平方メートルになった。新技術の開発や製品試作を担う。

これまでの研究拠点では工程の一部しか再現できなかった。B棟内には油加工の全ての工程を再現できる設備がある。一度に生産できるサンプル数も数十キログラム単位から数百キロ単位になった。顧客の要望に応じた試験製造も対応できる。

試作した油脂を使い、調理して品質を確認できるキッチンも設置した。揚げ物調理や製パン、チョコレートなどの試作ができる。調理品は施設内の研究室で五感の感じ方を数値化したり、X線を使って内部の様子を分析したりできる。

日清オイリオの佐藤将祐常務執行役員は「(インキュベーションスクエアを)様々な人が創発する場にしたい」と話した。横浜磯子事業所は日清オイリオの最大の生産拠点で、搾油や精製などのほかに加工油脂や化粧品原料を製造している。

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