博報堂は延期していた24年3月期の決算を発表した

博報堂DYホールディングスが4日発表した2024年3月期の連結決算は純利益が前の期比20%減の249億円だった。国内のテレビやウェブ広告は伸びたものの、新型コロナワクチン接種の関連業務が一巡したため、官公庁からの受注が減少した。

博報堂DYは5月8日、子会社が新型コロナワクチン接種事業で過大請求した影響を反映した決算数値の確定に時間がかかるとして決算発表の延期を開示した。調査の結果、京都市などのほかに沖縄県でも過大請求があった。24年3月期の売上高から過大請求分を差し引き、影響額については非公表とした。

決算発表する博報堂DYHDの西岡正紀専務執行役員㊨(4日、東京・中央)

メディア枠の仕入れ額から得意先に売った額の差額にあたる収益は4%減の9467億円、営業利益は38%減の342億円だった。得意先の業種別では「官公庁」と「情報・通信」が落ち込んだ。「交通・レジャー」や「流通・小売業」などは前の期を上回った。

25年3月期の連結業績予想は収益が6%増の1兆円、純利益は40%減の150億円を計画する。24年3月期に政策保有株式の売却益約250億円を計上した反動が出る。

同日、27年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画の詳細を発表した。調整後のれん償却前営業利益で年平均10%以上の成長を目指す。

博報堂DY子会社の博報堂は23年11月、広告制作費を巡りサントリーなどの顧客に不適切な請求をしていたと発表した。西岡正紀専務執行役員は4日の決算会見で調査委員会の調査結果や影響額をふまえ「経営陣の処分を含めて検討する」とした。

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