写真はイメージ=ゲッティ

 不動産・住宅情報サイト大手のライフルが、65歳以上のシニア層に特化した採用制度を今春から導入した。経験や人脈が豊富なシニアから専門性の高い職種の人材を確保する狙い。「老卒採用」と銘打って10日まで営業や法務関連などの職種で募集している。

 職種は、営業部門のアドバイザー▽コピーライター▽法務部門の社内研修の企画・講師▽国内外の法務・コンプライアンスのアドバイザー――など。定員は設けていない。

 1カ月ごとに契約を更新する業務委託で、東京都千代田区のライフル本社に勤務する。基本的にリモートワークで、月に10~30時間程度を想定。勤務時間や報酬は相談に応じるという。上層部の補佐役となる即戦力を求めており、不動産やIT業界の経験や知識に加え、経営や管理の高い手腕を求めている。

 総務省の調査によると、就業者数に占める高齢者の割合は13・6%(2022年)。就業者の7人に1人が65歳以上で、多くのシニアが働き続けている。

 一方、ライフルが実施した「シニアの就業に関する意識調査」では、シニア採用を積極的に行っている企業は2割にとどまった。また、採用担当者の6割以上は「年齢(高齢であること)を不採用の理由として考慮したことがある」と回答しており、シニアと企業の間に大きなギャップがあることが判明した。

 「老卒採用」の意義について、担当するライフル執行役員の川崎鋼平氏は「まだまだ働きたい方が、役員らのパートナーとしてスキルを存分に発揮できる」と語り「自身の可能性を切り開こうという情熱のある方は、ぜひ応募してほしい」と呼びかけている。応募は同社のウェブサイトで受け付けている。【嶋田夕子】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。