碧南工場に掲げられた豊田自動織機のロゴ=愛知県碧南市で2024年1月、大原翔撮影

 豊田自動織機は11日、高浜工場(愛知県高浜市)で定時株主総会を開いた。伊藤浩一社長は冒頭、自動車用エンジンなどの認証不正について「多くの関係者に多大なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ない」と陳謝した。同社によると、トヨタ自動車の豊田章男会長は欠席だった。豊田氏は1月末の記者会見で、課題把握のためグループの主要17社の株主総会に出席すると表明していた。

 株主総会で伊藤氏は、不正の再発防止のため組織や風土の改革に取り組むと説明。質疑で株主から「時間確保や仕事を減らす工夫が必要ではないか。改革を『やれ、やれ』では(現場に負担がかかり)また同じことが起きないか」と指摘を受け、伊藤氏は「管理職や経営層が、現場の仕事を自分の目で見て声を確認する。形だけにならない本気の取り組みを進める」と応じた。トヨタで副社長を務めた寺師茂樹氏を含む7人の取締役選任など、4議案が可決された。

 トヨタは、豊田氏の株主総会出席について「株主総会は株主との対話の場であり、(会長)自身が出ることで変化が起きるのは得策ではない」と判断し、株主の立場では出席しない方針を明らかにした。取締役を務めるデンソーなどの株主総会には出席する予定。豊田氏は自ら各社に出向き、情報共有や進捗(しんちょく)確認を進めているという。

 豊田自動織機では2023年3月以降、フォークリフトや建設機械、自動車用エンジンの認証不正が判明。フォークリフトと建機の計5機種で、国の認証である「型式指定」が取り消されたほか、トヨタの人気車種「アルファード」「ヴェルファイア」などの生産が一時停止した。【大原翔】

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