日本製鋼所は11日、2029年3月期を最終年度とする新しい5カ年の中期経営計画を発表した。自己資本利益率(ROE)を24年3月期の8.5%から、10〜11%に高める。同社が認識する株主資本コストの8%超えを定着させる。連結配当性向は35%以上と従来の30%以上から見直した。設備投資は現中計の2.5倍の1000億円を計画する。

売上高は前期比50%増の3800億円、営業利益は同2倍の370億円を目指す。売上高営業利益率は2.6ポイント増の9.7%を目指す。緊張する国際関係を受けて政府が防衛予算を拡大する中、同社の装甲車や火砲など防衛事業が伸びる。インドなどの経済成長でプラスチックの需要が増え、樹脂製造・加工機械も成長する。

新中計では1000億円を樹脂製造・加工機械の生産能力拡大などに使う。他に研究開発投資に410億円、デジタルトランスフォーメーション(DX)投資に160億円、株主還元に300億円を充てる。

樹脂製造・加工機械の生産拠点である広島製作所(広島市)では生産能力拡大のため複数建屋の増設を進めている。11日には新たに「第4機械工場」の建て替えを発表した。26年10月の稼働開始を予定し、数十億円を投じるとみられる。

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