入社して希望通りの部署に配属されるか分からないことを指す「配属ガチャ」。これに外れたら、4人に1人が入社辞退か早期退職を検討する――。就活支援会社が今春大学卒業の新社会人を対象にした調査で、こんな結果が出た。別の調査では上司が「背中で語る」ような育成方針への拒否反応も明らかになっており、新入社員の定着には、時代の変化に合わせた配属と育成の見直しが不可欠になっているようだ。
新卒向け就活サービス「キャリアチケット」を運営するレバレジーズが、サービス登録者131人を対象に、卒業前の1月26日~2月16日にウェブアンケートを実施した。
これによると、配属先が希望と異なる場合に、入社辞退や入社後半年以内の早期退職を「検討する」との回答が24・6%に上った。同社は「例年に比べ、配属先や給与などの条件面を重視する割合が多くなっている」と分析。具体的には「勤務地・エリア」が希望と異なる場合に早期退職などを検討する声が多かったという。
一方で、配属先が希望と異なっても早期退職などを検討せず、入社して働き続けようと考える理由として挙がったのは「スキルをつけたいから」が19・2%で最多だった。「仕事内容に興味がある」と「せっかく希望の会社に入社したから」がそれぞれ17・2%で続き、「給与」や「手当」との回答を上回った。
また、就職支援サービスを展開するジェイックが同社サービスに登録する20代の第2新卒や既卒者ら136人に行った調査では、52・2%の回答者が上司に期待する育成方法として「自分の強みや個性を生かしてくれる」を選択した。
これに対し、「多くを語らず、背中で示してくれる」(2・2%)、「叱咤(しった)激励してくれる」(1・5%)という育成方法を望む回答はほとんどなかった。
同社は「若手社員の定着に必要となるのは、説明力や説得力でなく対話力だ」と分析。かつて主流だった「背中を見せる」「叱咤激励」といった育成方法の見直しを提案している。【中島昭浩】
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