裕幸計装などは産学連携の実証で、エビ養殖の脱炭素と生産性向上をめざす(13日、東京・千代田)

空調制御システム開発の裕幸計装(東京・目黒)などは13日、ベトナムのエビ養殖池で汚泥を使って電力を供給するシステムの実証運転を始めると発表した。環境汚染を引き起こす汚泥を有効活用する。あらゆるモノがネットにつながるIoT技術により水温などをリアルタイムで把握できるようにすることで、生産性も向上させる。

裕幸計装、九州大学、工学院大学、インターネットイニシアティブ(IIJ)の4者が連携して7月24日から実証を始める予定。ベトナムの現地企業が保有する2000立方メートルの養殖池を使う。

養殖池の底にたまる汚泥にレモングラスの抽出かすを加えて発酵させ、生じたバイオガスを燃料にする。発電した電力は水中に酸素を供給する機械などに利用する。養殖池1000立方メートルあたり年40トンの二酸化炭素削減につながるという。

IIJはIoTセンサーを使って池の温度や酸素濃度のデータを自動で収集し、スマートフォンなどで確認できるシステムを構築する。具体的には水温が基準値を超えると警告が鳴るような仕組みにする。水質管理能力が向上することでエビの生存率を85%と一般的な水準(57%)よりも高め、養殖事業の収益性改善につなげたい考えだ。

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