ジョン・ペンドリー氏

公益財団法人稲盛財団(京都市)は14日、科学や思想の発展に貢献した人物に贈る第39回京都賞の受賞者を発表した。微細な構造体で電磁波を屈折させる「メタマテリアル」の理論を構築した英インペリアル・カレッジ・ロンドン理論固体物理学教授のジョン・ペンドリー氏(80)=先端技術部門=ら3氏を選んだ。

メタマテリアルは微細な金属などの構造体を設計することで電波を通常と逆方向に屈折させる。技術は顕微鏡やマイクロ波の制御技術として注目されている。ペンドリー氏の研究が材料科学を進歩させたと評価された。

基礎科学部門は、北極圏やアフリカでの調査を通じて数億年前の地球表面全体の凍結や過去の大陸などの岩盤の移動の様子を明らかにした地質学者でカナダのビクトリア大学客員教授のポール・F・ホフマン氏(83)を選出した。

思想・芸術部門には、伝統的なバレエの構造を問い直す作品制作や美学のあり方を実現した米国出身の振付家のウィリアム・フォーサイス氏(74)が選ばれた。

授賞式は11月10日に京都市で開かれ、受賞者には賞金1億円などが贈られる。稲盛財団は京セラ創業者の稲盛和夫氏が1984年に設立した。

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