高島屋は百貨店以外の収益の柱とする金融事業を拡充する

高島屋は14日、富裕層向けの資産運用助言などを手がけるヴァスト・キュルチュール(大阪市)を子会社化したと発表した。出資額は非公表で、株式の過半数を取得する。顧客に資産運用の提案などのプライベートバンクサービスを提供し、百貨店以外の収益の柱とする金融事業を拡充する。

ヴァストは2019年創業。特定の金融機関に属さず、中立的な立場から個人に資産管理を助言する独立系金融アドバイザー(IFA)の事業を展開している。ネット証券の普及や新NISA(少額投資非課税制度)の開始などを背景に、個人投資家が気軽に相談できるIFAの需要は伸びているという。

高島屋はヴァストの金融に関するノウハウや人材を取り込む。ヴァストの顧客に百貨店の商品を紹介するなどして相乗効果を高める。

高島屋は金融を百貨店、商業施設開発に次ぐ第3の事業と位置づける。22年には住信SBIネット銀行とアプリ上で積み立てできる「高島屋ネオバンク」を始めた。24年3月には不動産ファンドに出資し、百貨店の顧客にヘルスケア分野の不動産投資信託(REIT)を販売することを検討している。

27年2月期の金融事業の営業利益を、24年2月期比15%増の53億円にすることを目指している。

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