調印式を行ったシンスペクティブの新井CEO(写真左)とロケットラボのベックCEO(18日、東京都千代田区)

衛星の開発・運用スタートアップのSynspective(シンスペクティブ、東京・江東)は18日、米ロケットラボと衛星10機を打ち上げることで合意したと発表した。衛星をロケットラボのロケットに搭載し、2025〜27年にかけて打ち上げる。シンスペクティブは現在3機の衛星を運用しており、衛星数を増やして観測頻度を高める。

両社が18日に都内で開いた調印式で、シンスペクティブの新井元行・最高経営責任者(CEO)は「(多数の衛星を打ち上げて一体的に運用する)コンステレーション構築を加速させてサービスを拡充する」と述べた。

ロケットラボのピーター・ベックCEOは「衛星10機の打ち上げは当社にとって最大規模の打ち上げ合意となる。日本の宇宙産業は世界で最も急速に成長している産業の1つだ」と話した。

ロケットラボが設計・製造する小型軌道ロケット「Electron(エレクトロン)」は米国で年間2番目に打ち上げ回数が多い。これまで180機以上の衛星を軌道に送ってきた。ニュージーランドと米バージニア州に合計3つの発射台を持っている。

シンスペクティブが現在運用中の3機もロケットラボのロケットで打ち上げている。今回の合意とは別にロケットラボとは2回の打ち上げを予定している。

シンスペクティブは18年に創業し、衛星画像の販売や解析サービスを手掛ける。地表に照射してはね返ってきた電磁波(マイクロ波)を受信することで地表の状態を観測する小型の合成開口レーダー(SAR)衛星を取り扱う。

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