三菱自動車は20日午前に定時株主総会を開いた(20日、東京都港区)

三菱自動車は20日午前、東京都内で定時株主総会を開いた。株価低迷の指摘が相次ぎ、加藤隆雄社長兼最高経営責任者(CEO)は「現状分析を進め、改善策を鋭意に検討する」と述べた。定款変更を含めた会社側の3つの提案は全て可決された。

三菱自の株価は6月17日に年初来安値の410円80銭を付けた。PBR(株価純資産倍率)は約0.68倍に沈み、東証が求める1倍の基準を下回る。株価が低迷する原因について、加藤社長は「主力地域の東南アジアが需要低迷で重しになっているほか、変化が大きい自動車業界の将来図がやや不透明」と分析した。

解決策として東南アジア地域以外での新車投入を増やすことを挙げた。東南アジアは「今年後半から来年にかけて需要が回復する」(加藤社長)とみる。筆頭株主の日産自動車との協業も含め電動化戦略を進める。株主還元は、「今期中には追加の還元策を示す」とした。

今回の総会で会社側は、定款に定める事業内容に「発電並びに電力の供給及び販売」を盛り込んだ。加藤社長は「新事業を通じて充電コストと二酸化炭素排出量の低減につなげる」と述べた。定款には「労働者派遣業」や「生命保険募集業」も追加した。

総会には前年より24人少ない182人の株主が出席した。株主からは前年と同じく13人の株主から質問があり、所要時間は1時間48分だった。

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