トヨタ自動車グループで自動車部品大手のデンソーは20日、愛知県刈谷市の本社で定時株主総会を開いた。林新之助社長は冒頭、同社製燃料ポンプを搭載した車のリコールが相次いでいる問題について「カーユーザー、メーカー、株主の皆さまにご心配、ご迷惑をおかけし、おわび申し上げる」と陳謝し、「これまで築き上げた信頼を揺るがす重大な事態だ。品質第一の原点に立ち返り全社一丸で取り組む」と語った。
株主から再発防止策を問われ、山崎康彦副社長は「品質基盤技術の強化やお客さま第一の徹底をしているほか、上司と部下が率直に話して真の課題を理解する全員参加の風土作りに努めている」と答えた。
別の株主は、グループ会社で相次ぐ認証不正がデンソーで起きていないかと質問。加藤良文・最高技術責任者(CTO)は「法規は順守していると確認済みだ」とした上で、開発設計部署から独立した法規認証専門部署が各国の認証の仕組みを調査し、各国当局とすり合わせをしたり、製品の量産までに九つの関門を設け、その一つ一つで法規認証適合状況のダブルチェックをしたりしていると説明した。
デンソー製燃料ポンプを巡っては、これまでに国内だけでも搭載車両約430万台のリコールが届け出されており、同社は約4400億円の対策費用を計上している。
同社は原因について、ポンプの樹脂部品「インペラ」の樹脂密度が低く、燃料によって変形して作動不良を起こし、走行中にエンストする恐れがあるとしている。昨年7月には鳥取市内で、ポンプを搭載した車が走行中に停止して追突される死亡事故が発生した。【大原翔】
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