日産自動車は25日、横浜市内の本社で定時株主総会を開いた。3月に公正取引委員会から下請法違反の勧告を受けたことに関し、内田誠社長が冒頭で「株主の皆様にご心配をおかけした」と謝罪した。社長直轄の改革推進室を設けるなどし、下請けとの取引改善を進めることを強調した。
日産は車部品の製造委託先36社に、発注時に決めた金額から「割戻金」として一部を差し引いた代金を支払っていた。下請法違反となり、日産は委託先に対し約30億円を返金した。株主からも下請け法違反に関する質問があがり、内田社長が再発防止策を説明した。
横浜市に住む70代の男性株主は「社長の説明はまっとうで、再発防止策などで取引がいい方向に進むことを期待している」と話した。一方、別の70代の男性株主は「もう少し(取引改善を巡る)会社の対応について詳細を説明して欲しかった」と指摘した。
総会は午前10時から開会し、625人の株主が出席した。総会では内田社長ら12人の取締役選任の議案が承認された。所要時間は前回並みの1時間47分だった。
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