山形市消防本部の救急車出動件数は増加傾向にある(24日、山形市)

山形市消防本部は傷病者をスムーズに救急搬送するための支援システムの運用を7月12日から始める。救急隊と病院はネットにつながったタブレットを介し、傷病者の体温や脈拍、血圧といった生体情報やけがの状態の画像などを共有する。搬送時間の短縮による救命率向上が見込まれる。

医療スタートアップ、TXP Medical(東京・千代田)のシステム「NSER mobile」を山形市消防本部と、同市を中核とする村山地域の16の救急告示病院に導入する。複数の病院に一斉に受け入れを照会する機能も備える。搬送先の病院は傷病者の状態を事前に詳しくつかめるため、到着後すぐに適切な治療を施せる。

山形市消防本部は同市に加え近隣の山辺町や中山町も担当する。2023年の救急車出動は約1万2700件と過去最多を更新した。24年も前年を上回るペースで推移している。

佐藤孝弘市長は「健康医療先端都市」の確立を重要施策の一つに掲げる。記者会見で今回の取り組みの意義を「デジタルの力を活用し、救急隊と医療機関の情報共有を効率化する」と説明した。

記者会見する山形市の佐藤市長(24日、市役所)

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