サイバーセキュリティーの重要性について語るエマニュエル駐日米大使=福岡市中央区の福岡アメリカン・センターで2024年6月17日午後3時52分、植田憲尚撮影

 在福岡米国領事館と九州の企業や大学で構成する「KYUSEC(キュウセック=九州セキュリティシンポジウム実行委員会)」は、九州のサイバーセキュリティーを向上させるため連携を強化すると発表した。発表記者会見にはラーム・エマニュエル駐日米大使も出席し、「九州は半導体分野で頭角を現しており、日本や世界経済にとって重要性が高まっている」と意義を強調した。

 KYUSECは九州電力や通信子会社QTnet、九州大、九州工業大、九州経済連合会などが参加し、産業システムのサイバーセキュリティーを中心に産官学連携強化などを目指している。

 KYUSECと在福岡米国領事館は2023年から米国の専門家を招いたセミナーなどを開き関係を深めてきた。今回の連携強化を機に米側からはグーグルなど3社のほかFBI(連邦捜査局)も加わることになった。今後、具体的な取り組みについて検討する。

 発表記者会見は17日に福岡市中央区の福岡アメリカン・センター(在福岡米国領事館広報部)で開催。出席したエマニュエル大使は中国や北朝鮮、ロシアによるサイバー攻撃の脅威が半導体産業で注目を集める九州でも高まっているとして、「率直にお互いから学ぶことが重要だ」と述べた。KYUSECの尾家祐二委員長は「サイバーセキュリティーは国境を越えた深刻な課題になっている。各界の知恵を結集し能力を高めることができると信じている」と期待した。【植田憲尚】

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