日本製鉄は27日、米鉄鋼大手USスチールの買収に関連して「米国の通商救済法を順守する」との声明を出した。米国の上院議員の主張や報道を受け、日鉄の方針を示した。買収完了後もダンピング課税などの米国の通商措置を妨げず、「米国市場でUSスチールの競争力強化を進める」とした。
民主党のシェロッド・ブラウン上院議員らは、イエレン米財務長官に宛てた書簡を27日までに公表した。書簡は、USスチール買収後に日鉄は「米国企業」であることを利用して外国企業に米国市場への自由なアクセスを与える可能性があるなどと記し、不当廉売で米国の労働者が脅かされると指摘した。
米紙ワシントン・ポストは全米鉄鋼労働組合(USW)の幹部へのインタビューで、日本の鉄鋼企業が米国市場で鉄鋼を安値販売し、雇用を減らしてきたなどと報じていた。
日鉄は声明で、汎用製品の安売りではなく当該地域の鉄鋼メーカーが対応困難な高品質の鉄鋼製品を供給すると説明した。各国はダンピング課税などの通商措置を実施する権利があると考えていることも強調した。
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