楽天モバイルは27日、携帯電話がつながりやすい周波数帯「プラチナバンド」のサービスを開始したと発表した。東京都内から始め、全国へ順次拡大する。携帯事業者としては後発で、モバイル事業の赤字が課題の楽天にとっては念願だった。三木谷浩史会長は「本当に熱望していた。日本の携帯市場にとって大きな出来事だ」と話し、通信品質の改善が大幅に進むと強調した。
プラチナバンドは、ビルや地下でも電波がつながりやすい周波数帯。楽天は2020年4月に携帯事業に本格参入したが、プラチナバンドの割り当てがなく、つながりにくさが課題とされてきた。昨年10月に総務省は大手キャリアー間の競争を促すため、楽天への新規配分を決定。今回、楽天は料金を据え置き、通話品質を向上させる。
プラチナバンド開始に向け同社は約500億円をかけ、自社の基地局を整備している。開設計画より1年9カ月前倒ししてのスタートとなったが、さらに拡大を急ぐ考え。既存の周波数帯も利用しながら、つながりにくい地点をカバーしていくという。
矢沢俊介社長は「国民の財産である電波を最大限活用し、満足度を上げていけるようにしたい。楽天が業界の競争をリードしており、(モバイル事業の)黒字化にも自信がある」と語った。5月のグループ決算会見で、三木谷氏は「(楽天モバイルの黒字化は)目前」と述べていた。【藤渕志保】
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