明治安田生命は、2027年度から営業職員以外の定年を今の65歳から70歳に延長することで労働組合側との協議を進めるということです。

会社は2019年度に定年を60歳から65歳に延長し、2021年度からは定年後も契約社員として70歳まで働ける再雇用制度を導入しました。

ただ、労働人口の減少や転職市場の活性化が進んでいることを踏まえ、若手の登用を積極的に進めるとともに定年をさらに延長することで人材の確保を進めるねらいです。

70歳まで働き続けられる就業機会を確保することが法律で企業の努力義務となったこともあり、再雇用などの制度の導入も進みつつありますが、この会社によりますと大手金融機関で定年を70歳まで延長するのは初めてだということです。

経験やスキルがあるシニア人材を重視する動きが企業の間でさらに広がるか注目されます。

人材確保が大きな課題 その背景は

企業にとって人材確保は大きな課題です。

15歳から64歳の生産年齢人口は、ピーク時の1995年には8726万人でしたが、2023年は7395万人と、1300万人余り減っていて、今後、さらに減少すると見込まれています。

また、転職市場の活性化によって若手・中堅世代の人材流出も進んでいます。

就職情報大手の「マイナビ」が去年、新入社員を対象に行った調査では「いまの会社であと何年働くと思うか」という質問に対して「3年以内」と回答した人が全体の24.1%と、4人に1人に上りました。

このため、経験やスキルを持ち、企業風土への理解もあるシニア世代を重視しようとしているのです。

こうした中、銀行業界では、優秀な人材のひきとめにつなげようと、役員などを除いた行員が一定の年齢に到達すると一律で給与を引き下げる仕組みを見直す動きが出ています。

▽みずほ銀行は、55歳から適用しているこの仕組みをなくしたほか
▽三井住友銀行は再来年、2026年をめどに51歳から適用しているこの仕組みを廃止する見通しです。

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