会社に縛られない「フリーランス」という働き方(写真はイメージです)

 フリーランスのITエンジニアの3人に1人は年収が800万円以上--。ITフリーランスのエージェント事業を展開する「PE-BANK」(東京都港区)が所属するITフリーランス約2400人のデータを分析したところ、33・8%が800万円以上の年収を得ているとの結果が出た。

 同社の分析によると、ITフリーランスの年収は600万~800万円未満が52・1%で最も多かった。800万~1000万円未満は26・0%、1000万円以上は7・8%となり、合わせて33・8%が「800万円以上」だった。一方、400万~600万円未満が12・9%、400万円未満は1・3%だった。

 1人当たりの平均年収(各年4月時点)は、2020年が701万3405円、21年が717万4432円、22年は707万7848円で、コロナ禍はほぼ横ばいだった。その後、23年は731万1903円、24年は765万1771円と上昇傾向に転じている。

 同社は「コロナを経て、DX(デジタルトランスフォーメーション)が急激に進められたことによる需要増加が大きい」(広報)と分析。ITエンジニア人材が不足する中、今後も年収の増加傾向は続くとみている。

 年代別の平均年収は、40代が約802万円で、50代(約756万円)や60代(約700万円)を抑え、最多だった。

 分野別では、プロジェクト全体の管理などを担うプロジェクトマネジャー(PM)の平均年収が約1024万円と、全体平均を大きく上回った。一方、筋書きにそってシステムをつくるプログラマー(PG)などの平均年収は約773万円だった。

 同社で長く営業職に携わり、フリーランスエンジニア事情に詳しい永田聡氏は「プログラムを作ったらその分、報酬が上がるという時代は終わった。専門的な技術に関して、一般ユーザーが使えるよう、間に立ってコミュニケーションを取って進められる人材の需要が高まっている」と話した。【後藤豪】

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