2024年7月3日に発行される新しい1万円札の見本券=東京都中央区の日銀本店で2023年4月14日、手塚耕一郎撮影

 日銀は3日、新しいデザインの紙幣(日本銀行券)を発行する。新紙幣の発行は2004年11月以来、約20年ぶり。最新の偽造防止策を施すなどして防犯性や機能性を高める。3日以降に銀行などの金融機関を通じて世の中に出回る。

 新紙幣の肖像は、1万円札が実業家の渋沢栄一、5000円札が津田塾大創始者の津田梅子、1000円札が日本の近代医学を切り開いた北里柴三郎。

 紙幣を傾けると肖像が動いて見える「3Dホログラム」を世界で初めて採用したほか、高精細のすかしを施すなどの偽造防止技術を取り入れている。

 また、表面のざらざらに触れて紙幣を判別する「識別マーク」を、1万円札など種類ごとに異なる位置に配置し、額面の数字は従来より大きく表記。目に障害のある人や外国人などにもお札の種類がわかりやすいようにした。

 新紙幣は3日以降に順次流通するが、全国銀行協会は「3日の開店と同時に引き渡せるわけではない」と注意を呼びかけている。たとえば、メガバンクでは3日に日銀から新紙幣を受け取るが、窓口や現金自動受払機(ATM)では新紙幣と旧紙幣が混在した状態になる可能性がある。各支店などで本格的に新紙幣に両替できるようになるのは4日以降になるという。

 旧紙幣も従来通り使える。日銀は「現行の紙幣が使えなくなる」などと偽る詐欺行為に注意を促している。

渋沢ゆかり「みずほ」が行事

 渋沢栄一が日本初の近代的銀行「第一国立銀行」(現みずほ銀行)の設立に携わったことにちなみ、みずほフィナンシャルグループは2日、記念イベントを開催した。この機に作成した新たなCMに出演するフリーアナウンサーの有働由美子さんのほか、渋沢の8親等に当たる歌舞伎俳優の尾上松也さんが渋沢を模した衣装で登場。渋沢の功績を振り返るトークを繰り広げ、機運を盛り上げた。【竹地広憲、成澤隼人】

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