JR北海道の萩原国彦常務㊧は営業費用について「動力費は19年度比で1.3〜1.4倍に増えている」と説明した(3日、札幌市)

JR北海道は3日、同社が単独では維持困難とする赤字線区「黄線区」の2023年度の営業損益が148億円の赤字(前の期は139億円の赤字)だったと発表した。新型コロナウイルスの5類移行で観光需要などが回復し売上高にあたる営業収益は増えたものの、燃料費などがかさみ、赤字額は比較可能な14年度以降で最大となった。

全体の営業損益は598億円の赤字で、前の期(659億円の赤字)から改善した。営業収益は前の期比18%増の754億円。コロナ禍の影響が少なかった19年度比では3%減った。燃料費や電気代の高騰や修繕などにかかる資材費や人件費上昇を受け、営業費用は前の期比4%増の1353億円で最大となった。萩原国彦常務は「動力費は19年度比で1.3〜1.4倍に増えている」と述べた。

線区別では全21区間が営業赤字だったが、比較可能な20区間のうち9区間で赤字幅が縮小した。特に観光利用やプロ野球・日本ハムの球場開業により需要が伸びた札幌―新千歳空港間などを含む札幌圏は30億円の赤字と41億円減った。

北海道新幹線は116億円の赤字だった。札幌延伸時に同社の経営から分離される並行在来線分と合計すると200億円超の赤字となった。札幌延伸が遅れれば多額の赤字が経営を圧迫することになる。

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