出光がアンモニアの供給拠点にする徳山事業所(山口県周南市)

出光興産は4日、東京大学などと組んでアンモニアの新たな製造方法を確立したと発表した。常温・常圧下で水素と窒素を合成することで、現在の手法に比べて二酸化炭素(CO2)の排出量を半減できる。基礎研究を続け、2032年度に年間1000トンの生産量につなげる。

現在主流のハーバー・ボッシュ法は水素と窒素を高温・高圧下で反応させるため、製造時にCO2が出る。出光などは金属元素「モリブデン」を使った特殊な触媒を開発し、常温・常圧の環境でもアンモニアを生み出せるようにした。

アンモニアの生成速度は電極1センチ平方メートルあたり、1秒につき2マイクログラム(マイクログラムは100万分の1グラム)。出光によると現時点で世界最高性能だという。さらに機能を高めるため研究を続ける。

徳山事業所(山口県周南市)で30年までにアンモニアを年間100万トン超供給する体制を整える。海外からの輸入のほか、この新技術を使った自前での生産も視野に入れる。

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