18日の東京株式市場で三菱地所株が4日続落し、一時前日比115円50銭(4%)安の2736円を付けた。ゴールドマン・サックス証券による投資判断引き下げが嫌気された。株主還元や収益力が物足りないとの見方がある。
終値は33円(1%)安の2818円50銭。同証券は17日付で投資判断を3段階で最上位の「買い」から真ん中の「中立」に引き下げた。担当アナリストの岡田さちこ氏らは、最近の株価上昇で「株価の上昇余地が縮小した」と分析する。
不動産株は日銀の緩和的な金融環境が続くとの思惑やインフレが追い風だ。三井不動産が11日に長期経営方針を発表したことを機に、総還元性向の引き上げや政策保有株式の縮減を期待する連想買いも入り、菱地所株は12日に年初来高値を更新していた。だが岡田氏は現時点で菱地所が近い将来に還元策を実施するとは発表していない点を指摘。東京主要5区のオフィス空室率は5%を超え、主力のオフィス賃貸事業で賃料を増額できる地合いも整っていないという。
もっとも、バリュエーション(投資指標)面での上昇余地を指摘する向きもある。しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネージャーは「NAV(不動産を時価評価した純資産価値)でみれば割安で、押し目を狙う投資家は多い」と話す。
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