JR東日本とJR西日本は在来線の設備を順次共通化する(右は山手線の車両、左は大阪環状線の車両)

JR東日本とJR西日本は5日、在来線の車両設備の共通化に向けた検討を始めたと発表した。新型車両の投入に合わせ、5〜10年後をめどにモーターや行き先表示器などを順次そろえる。メーカーの設計負担を減らしながら調達コストの抑制につなげる。

走行時の揺れを抑えるオイルダンパーや、車両に電気を供給するパンタグラフなども共通化する。各社によって駅の形状やホームドアの位置が異なるため、車体の幅や長さ、外観デザインなども統一できるかは今後詰める。

JR東は在来線で約1万両、JR西は5000両程度を保有しており、両社合わせると国内全体(2万6000両)の6割弱を占めている。製造事業者の人手不足が深刻化しつつあり、大手2社が仕様をそろえることで製造プロセスの効率化やコスト削減を図る。

車両設備を共通化すれば、自然災害などで故障した際にも迅速に部品を調達しやすくなる。将来はJR他社や私鉄会社とも統一できるよう仕組みづくりを検討する。

すでに両社は相互直通する北陸新幹線で共同設計の車両を使っている。2023年には技術分野で連携する覚書をかわし、新幹線での自動運転に向けた準備も進めている。

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