サントリーは8日、主力の「金麦」シリーズから展開する発泡酒「金麦サワー」を10月15日に数量限定で全国発売すると発表した。4月から先行投入した北海道での販売が好調だったため。麦のうまみとかんきつ系が香るすっきりした味わいで、1杯目にビールを飲んだ後に飲む2杯目での需要を狙う。
金麦で使う「旨味麦芽」に加え、生産量が少なく希少なレモンドロップホップなどを使用した。香料や甘味料を使用せず、同社のビール醸造技術で味を造り込んだ。1缶350ミリリットルの店頭想定価格は182円程度。30万ケース(1ケース大瓶20本換算)の数量限定で発売する。
消費者の嗜好が多様化し、ビール系飲料と缶チューハイなどのRTD(レディー・トゥー・ドリンク)を一緒に買う消費者の数は5年間で約1.5倍に増えているという。常務執行役員ビール本部長の多田寅氏は「最盛期(の夏)が少し落ち着いた秋の夜長を楽しむときに、2杯目として飲んでもらいたい」と話す。
金麦は同社のビール系飲料の5割以上を占める第三のビールの主力ブランドだ。ただ、第三のビールには酒税改正により税率が引き上げられた影響で逆風が吹いていて、1〜6月の国内販売数量は前年同期比21%減った。金麦ブランドは同9%減だった。金麦サワーは同社9年ぶりの発泡酒となり、ビール以外の発泡酒・新ジャンルをてこ入れする。
同日開いたマーケティング説明会では、24年3月から業務用の瓶・たるの展開を始めた「サントリー生ビール」の計画を上方修正した。6月末時点で全国1万6000店の飲食店が業務用のサントリー生を導入しており、年内に当初比3割増の2万店に増やす。夏に向けて、全国30カ所で計200万人に試飲してもらうイベントも計画している。
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