飼い犬=米田堅持撮影

 ペット市場の拡大が続いている。矢野経済研究所の推計によると、関連商品を含めた市場規模は2兆円に迫る勢いだ。ペットの飼育頭数は頭打ちになっているものの、ペットフードなどの伸びが市場を支えているという。

 ペットの購入や関連物品、美容室などサービスを含むペット関連総市場(小売金額ベース)は2023年度、前年比4・5%増の1兆8629億円になったと推計している。矢野経済研は「今後も市場拡大が続く」と見ており、2兆円突破は時間の問題だ。

 一般社団法人ペットフード協会によると、犬や猫の新規飼育頭数は23年、前年に比べ計約9万2000頭減った。ここ数年は微減増を繰り返し、飼育頭数が伸び悩んでいる状況だ。

 それでも市場が拡大しているのは、19年度時点で5000億円台だったペットフードの販売額が、23年度は見込み額で6920億円まで伸びたためだ。

 「飼い主によるペットの健康志向の高まりが市場拡大につながっている」(矢野経済研)といい、無添加や自然派素材をうたい、病気の予防など機能性をアピールするフードの人気が高い。高価格帯の売れ行きも堅調だ。

 ペットの健康や暮らしの充実を考える飼い主に向け、ペットグッズも細分化・多様化している。ペットが快適に過ごせるのなら、出費はいとわない――。こんな飼い主の思いが市場を支えているようだ。【嶋田夕子】

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