横浜ゴムは利幅の大きい乗用車向け以外の分野を拡大する戦略だ

横浜ゴムは10日、米タイヤ大手グッドイヤーが手掛ける「オフロード」用タイヤ事業の買収を検討していると発表した。同事業では舗装されていない道を走る鉱山用トラックなど向けのタイヤを主に製造する。成長分野と位置付ける鉱山用などの収益を底上げする狙いがある。

横浜ゴムは同日、グッドイヤーの事業の買収について「検討を進めていることは事実」と開示した。関係者によると買収額は1000億円を上回る可能性がある。グッドイヤーは2023年、オフロードタイヤや化学などの分野での事業再編検討の方針を発表していた。

横浜ゴムは売上高でブリヂストン、住友ゴム工業に次ぐ国内3位だ。足元では特に乗用車向けの一般用タイヤで韓国ハンコックタイヤなどをはじめとする中韓勢との安値競争が激しさを増している。

横浜ゴムは26年12月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画で、高付加価値で利益が稼げる鉱山用トラック向け分野などをM&A(合併・買収)で拡大する方針を示している。ブリヂストンなども同様の戦略を掲げており、現状のシェアは低位だ。

横浜ゴムは利幅が大きい成長分野として乗用車以外の分野に手を広げている。16年にオランダの農機タイヤメーカー、アライアンス・タイヤ・グループ(ATG)を約1300億円で買収。23年には農機用タイヤなどを手掛けるスウェーデンのトレルボルグ・ホイール・システムズ(TWS)を約2700億円で買収した。

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