建設物価調査会(東京・中央)が発表した6月の東京地区の建築費指数は、マンション(鉄筋コンクリート造)が2カ月続けて過去最高を更新した。コンクリートを流し込む型枠をつくる専門作業員などの人件費が上がり、建築費を押し上げた。
同調査会は建物の種類別に工事原価を指数化し、毎月公表している。鋼材やコンクリートといった建設資材のほか、それらを組み立てる作業員の人件費など項目ごとにコストを計算している。コストアップが続けばマンションの販売価格がさらに上がる可能性がある。
マンションの建築費指数(速報値、2015年=100)は131.5で、5月比で0.7%、前年同月比では6.7%上がった。指数の内訳では、型枠工にかかるコストが前月比の上昇に最も寄与した。「人手不足で型枠のほか空調ダクトなどの専門工事費が上がっている」(同調査会)
鉄筋に使う小形棒鋼を加工・組み立てする作業費も小幅に上がり、マンションの指数を押し上げた。「建材を加工したり、エレベーターなどの設備を設置したりする施工業者はどこも人手が足りず、建設現場ごとに取り合いになっている」(鉄鋼メーカー)という。
国際的な銅相場の高騰で電線・ケーブルが値上がりしたことも指数の上昇につながった。外国為替市場では円安・ドル高が進んでおり、今後資材の輸入価格がさらに上がる可能性もある。
マンション以外の指数も過去最高だった。オフィスビル(鉄骨造)は前月比0.5%高の132.5、工場(同)は0.6%高い132.3、住宅(木造)は0.2%高の137.6だった。
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