米アップルは競合他社にモバイル決済サービス「アップルペイ」の通信機能を解放する

【ロンドン=為広剛】欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は11日、米アップルがモバイル決済サービス「Apple Pay(アップルペイ)」に使う無線通信の機能を競合他社に開放すると発表した。

期間は10年間で欧州域内が対象となる。スマートフォン「iPhone」の利用者は他社が提供する決済サービスも使えるようになる。

アップルペイは欧州で3000を超える金融機関やカード会社に利用されている。欧州委はアップルが店舗やオンラインでの携帯端末による非接触型決済に使用される「NFC(近距離無線通信)」などの規格を独占し、競合他社の参入を阻んでいる疑いがあるとして調査していた。

調査ではアップルが競合他社に対して通信規格を提供することを拒否し、支配的な立場を乱用したと結論づけた。アップルはモバイル決済サービスを開放する改善策を欧州委に提案していた。欧州委はアップルの提案を受け入れて調査を終了する。

EUのベステアー上級副委員長(競争政策担当)は声明で「競合他社は店頭でiPhoneを使ったモバイル決済で効果的に競争できるようになり、消費者は安全で革新的なモバイル決済の選択肢が広がる」と強調した。

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