青果流通大手のファーマインド(東京・千代田)は茨城県稲敷市に大規模なイチゴ農園を設ける。2025年11月から国内外に出荷する。栽培面積は段階的に4.5ヘクタールに広げ、国内有数の規模。太陽熱利用の暖房システムなどを導入し、環境にも配慮する。将来的にロボットでの収穫など自動化も視野に入れる。
子会社のファーマ村いちご農園(同)が栽培や販売を手掛ける。ファーマ村は21年から栃木県壬生町でイチゴの試験栽培を開始した。今回、質や安定的な収量の確保にメドがつき、茨城県内での大規模な栽培に乗り出すことを決めた。
茨城県稲敷市に建設中の新農園は、圏央道の稲敷東インターチェンジ(IC)に近く、農産物輸出の主要拠点である成田空港までも車で約30分の好立地。12日に大井川和彦県知事を表敬訪問した堀内達生ファーマインド社長は「(首都圏など)一大消費地に近いことも決め手」と話す。
現在、第1期として栽培面積約2ヘクタールを整備しており、28年ごろまでに計4.5ヘクタールに拡張する。25年度は中〜高価格帯で希少品種となる「ロイヤルクイーン」「みくのか」「かおりの」の計3種を栽培し、約160トンの収穫を見込む。
農園には、ハウス内の上部から苗をつるす「可動式ハンギングベンチ」方式を導入し、省スペース・高収量を狙う。株元周辺を効率的に温める局所暖房も取り入れる。
国内のイチゴ農家は減少傾向にあり、堀内社長は「(生産維持のためには)大規模化と省力化は避けられない」と話す。自動収穫機械の導入なども検討し、「日本の農業経営の一つのモデルになっていきたい」と意気込む。
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