エネコートテクノロジーズの小型のペロブスカイト型太陽電池は発電効率の高さが特長だ

曲がる太陽電池「ペロブスカイト型太陽電池」を開発するエネコートテクノロジーズ(京都府久御山町)は18日、第三者割当増資で55億円を調達したと発表した。これまでに得た資金は公的助成も合わせると100億円を超えた。本格的な生産体制の確立を急ぐとともに、車載用などへの展開を見据えて年内にも小型の太陽電池を発売する。

エネコートは京都大学の若宮淳志教授の研究成果などを基に、2018年に創業した。今回、トヨタ自動車傘下のウーブン・キャピタルや三菱UFJキャピタル、INPEXなどから出資を受けた。

ペロブスカイト型太陽電池は薄く曲げられるのが特徴だ。建物の壁などに設置しやすい。既存のシリコン製に続く次世代の太陽電池の本命と期待されている。

エネコートはペロブスカイト型太陽電池の本格的な生産開始を前に、年内にも小型の製品を発売する。数センチメートル四方のパネルなど3種類ほどを想定する。小型センサーなどの電源として企業などの活用を見込む。

23年からトヨタと車載向けパネルを共同開発し、日揮ホールディングスやKDDIとは建物や携帯電話基地局に取り付けるパネルの実証実験をしてきた。潜在的な顧客となる大企業などと組みながら、太陽電池の用途ごとにどれくらいの需要があるか検証しながら規模の拡大を目指す。

エネコートのペロブスカイト型は発電効率の高さが強みだ。7.5センチメートル四方のパネルでは世界最高水準を達成した。今回の調達資金を生かして数十センチメートル四方などの大型パネルの生産工場を設ける。

まず小型パネルや車載向けなど曲面加工や高効率といった特性を生かせる製品を開拓する。高単価品で収益基盤を築く。将来的にはロール状のフィルムを連続的に加工する方式などで大量生産することも視野に入れる。

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