オイシックス・ラ・大地は夏休み期間に学童保育施設で昼食を提供する(25日、神奈川県茅ケ崎市)

オイシックス・ラ・大地は、子会社のシダックスが受託運営する放課後児童クラブ(学童保育)約500カ所で夏休み中の弁当を提供するサービスを始めた。8月31日までに約10万食を提供する。保護者が子どもの昼食を準備する負担を減らし、学校給食が出ない長期休暇に起きる「昼食問題」に対応する。

シダックス傘下のシダックス大新東ヒューマンサービス(東京・渋谷)が、30自治体で受託運営する学童にオイシックス監修の弁当を届ける。保護者が5日前にアプリで注文・決済すると、弁当が前日の午後に学童保育に届く。価格は1食580円。

おかずと白米を組み合わせた8種類のメニューを日替わりで選べる。野菜をハンバーグの具材に混ぜ込むなど栄養バランスに配慮した。1月と3月に計21カ所の学童で試験導入していた。

25日、茅ケ崎市小和田児童クラブ(神奈川県茅ケ崎市)で活動の様子を公開した。児童5人に中華料理の酢鶏をメインにした弁当を提供した。オイシックスBtoB事業統括付の浜元勇太郎氏は「全国の自治体の要望に応えられるように体制を整える」と話した。

子どもが夏休み期間の「昼食問題」は、共働き世帯が増えるなかで社会課題となっている。こども家庭庁の23年の調査では、昼食を提供している学童は22.8%にとどまる。多くの学童では、保護者が弁当を用意したり宅配弁当を活用したりしている。地方では配送業者が少ない地域もあるという。

オイシックスが7月、学童に通う予定がある小学生の子どもがいる保護者101人に聞いたアンケートでは、昼食準備の悩みについて55.4%が「弁当の調理時間の捻出」と答えた。

オイシックスは、シダックスが2023年11月にMBO(経営陣が参加する買収)で非上場化した後、株式の66%を取得して子会社化した。シダックスが全国にもつ学校や病院など給食事業の販路を生かした収益拡大を図っている。

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