今夏、エストニアに短期留学予定の学生らに特別授業をするイヴォ校長(29日、奈良県宇陀市)

奈良県宇陀市で29日、北欧のIT(情報技術)先進国エストニアのアントレプレナーシップ(起業家精神)教育の日本での導入や人材育成、起業支援を手掛ける新会社が設立された。宇陀市は2025年度に現地で日本人向け留学プログラムの創設を予定し、新会社が計画の具体化を後押しする。さらに、国内の大学や他の自治体にもエストニアの大学や企業を橋渡しし、交換留学やインターン機会を提供していく。

新会社の名前は「S☆kool(スクール)」で、宇陀市が運営する「奈良サテライトオフィスうだ(SOUDA)」に本社を置いた。エストニアに本社がある人材育成企業、ネクストイノベーションの熊谷宏人氏や複数の国内企業、個人が出資した。

新会社の共同代表についた熊谷氏㊧とKey氏

エストニアは人口あたりの起業家輩出率が欧州で最も高い。新会社の共同代表についた熊谷氏は29日に宇陀市で開いた記者説明会で「宇陀から日本でエストニアのよりよい取り組みを知ってもらいたい。いろんな若者や人々を巻き込んでいける拠点にしたい」と話した。宇陀市の金剛一智市長は「一緒に宇陀の子どもたちの活躍を支える土台をつくってもらえる」と期待した。

同日、今夏にエストニアへの短期留学する宇陀市内の学生らに、現地の連携先であるサーレマー高校のイヴォ・ヴィサク校長が特別授業を実施した。イヴォ校長は、教室内に架空の日本地図をイメージしてもらい、自身が好きな場所に立って地図を完成させて参加者が意見交換をするワークショップなどを実施。「想像力次第でよりよい学びの場がつくれる」などと説明。国境を越えた交流の大切さも指摘し「アイデアを持った学生たちの可能性は無限大」と訴えた。

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