清水建設が30日発表した2024年4〜6月期の連結決算は純利益が前年同期比87%減の24億円だった。建設工事が前年同期に比べ進まなかった。今期から東京都江東区の新拠点を本格稼働させたことや賃金の引き上げで、販管費も膨らんだ。前年同期に計上した政策保有株の売却益の反動も表れた。

売上高は9%減の4010億円、営業利益は70%減の17億円だった。今期は売り上げが伸びやすい建設工事の完成や、不動産の物件売却が下期に集中する。4〜6月期の営業利益の進捗率は4%にとどまった。「工事や不動産開発はおおむね想定の範囲内で順調に進捗している」(清水建設経理部)という。

建築工事の完成工事損益率(単体ベース)は5.3%と、前年同期に比べ0.1ポイント改善した。24年3月期通期はマイナス2.9%だった。前期に工事損失引当金を計上した赤字工事はまだ手元にあるものの、受注時の採算を確保する取り組みで利益率は上昇しつつある。

売上高が前期比10%減の1兆8000億円、純利益が2.3倍の400億円とする25年3月期通期の業績見通しは据え置いた。

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