野村ホールディングス(HD)が30日に発表した2024年4〜6月期の連結決算(米国会計基準)は、純利益が前年同期比3倍の689億円だった。個人と投資運用、法人の3部門の全てで増収増益で、投資信託など安定収入を生む資産の販売が好調に推移した。

個人向け部門の収益は24%増の1140億円となった。投信や投資一任などの資産残高の積み上げで発生する収入は34%増の458億円と、過去最高になった。株や投信の売買にひも付く収入の伸び(18%)を上回った。

最高財務責任者(CFO)の北村巧氏は記者会見で「株価はボックス圏で推移したが、顧客のニーズに寄り添ったサービス提供により1〜3月期を上回る収益を達成できた」と話した。

投資運用部門の収益は477億円で80%伸びた。6月末時点の運用資産残高は92.5兆円と、1年で16.4兆円膨らんだ。未公開株や不動産などの未公開資産、指数を上回る運用成績をめざすアクティブ運用に関する商品に資金が流入し、運用報酬が拡大した。

法人向け部門の収益は28%増の2448億円だった。投資銀行事業は日本でのM&A(合併・買収)助言が堅調だった半面、海外が伸び悩んだ。北村氏は海外について「顧客との対話は引き続き活発で、年後半に収益につながると期待している」と語った。

前年同期に計上した出資先の米運用会社の持ち分に関連する評価損がなくなったことも純利益の増加に寄与した。

野村HDは5月、31年3月期に自己資本利益率(ROE)を8〜10%以上に上げる方針を公表した。24年4〜6月期は8.1%と、前年同期の2.9%を上回った。

北村氏は「一回きりではなく継続的に達成していくことが何より大事で、ようやくスタートラインに立てたということだ」と述べた。

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