航空機大手の米ボーイングは苦戦が続いている=ロイター

【ヒューストン=花房良祐】航空機大手の米ボーイングが31日発表した2024年4〜6月期決算は最終赤字が約14億3900万ドル(約2200億円、前年同期は1億4900万ドルの赤字)だった。最終赤字は8四半期連続。製造品質問題の混乱で商用機が不振だったほか、大統領専用機と軍用機もコストが増えて防衛部門の赤字も膨らんだ。

売上高は前年同期に比べ約15%減の168億6600万ドル、営業キャッシュフロー(現金収支)は39億2300万ドルの赤字(前年同期は28億7500万ドルの黒字)だった。営業CFの赤字は2四半期連続。

同社の小型機「737MAX」は1月、飛行中に事故を起こした。原因は非常口を覆うパネルを胴体に固定するのを忘れたためで、製造品質の課題があらわになった。工場では減産のうえ生産担当者の研修を強化するなどして対策を進めている。

商用機の納入は前年同期に比べ約32%減の92機にとどまった。商用機部門の営業赤字は7億1500ドル(前年同期は3億8300万ドルの赤字)に拡大した。

防衛部門では米国政府などに納める航空機の生産コストが増加した。ジャンボ機「747」をベースにする2機の大統領専用機(エアフォースワン)で苦戦した。

加えて、一部の軍用機は商用機と生産ラインを共有しており、品質問題の余波を受けて出荷が滞った。同部門の営業赤字は9億1300万ドル(前年同期は5億2700万ドルの赤字)に悪化した。

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