キリンホールディングス(HD)は6日、13日まで延長していたファンケルへのTOB(株式公開買い付け)期間を28日まで再び延長すると発表した。1株2690円とする買い付け価格は2800円に引き上げる。TOBが成立した場合、買収総額は当初の約2200億円から約2300億円になる見込み。投資ファンドのファンケル株買い増しなどでTOB価格が上がっているのに対応する。
キリンHDの南方健志社長COO(最高執行責任者)は6日に開いた決算会見で「TOB期間の延長は今回が最後。株主の皆様にはこの価格で応募いただきたい」と述べた。TOB発表前日の6月13日の終値から48.6%の上乗せ幅(プレミアム)となり、PBR(株価純資産倍率)は4.2倍の水準になるという。
キリンHDは6月14日、約33%を出資するファンケルへのTOBにより、同社を完全子会社化する方針を発表した。TOBが成立した場合、年内にもファンケルは上場廃止となる。ファンケルはTOBに賛同し株主に応募を推奨すると表明している。
ファンケル株を巡り、香港の投資ファンド、エムワイ・アルファ・マネジメントが買い増す動きもある。キリンHDによるTOBの開始以降、エムワイは変更前のTOB価格である2690円を上回る水準で株式を取得している。関東財務局に7月19日に提出された変更報告書ではファンケル株7.94%を保有している。
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