倉元製作所の本社社屋=同社提供

液晶ガラス基板加工などを手掛ける倉元製作所は7日、薄くて曲げられる「ペロブスカイト型太陽電池」の生産に乗り出すと発表した。約13億円を投じ、岩手県一関市にある花泉工場にガラス型、フィルム型の2種に対応した生産ラインを設ける。25年2月にも生産を始める。

生産能力は年間約1メガワットで、研究開発機能も担う。中国の量産メーカーから設備を導入するほか、技術者の受け入れなどで量産体制を整える。将来、生産ラインや工場の拡張も視野に入れる。

倉元製作所は太陽光電池に関する研究を10年以上続けており、液晶ガラスやガラス基板の成膜加工で培った技術を転用する。ペロブスカイト型を開発した桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授と技術顧問契約を6月に結んだほか、中国の量産メーカーとも技術提携する予定だ。

ペロブスカイト型太陽電池は薄く曲げられるため、建物の壁などに設置しやすい。既存のシリコン製に続く次世代の太陽電池として期待されている。

政府は産業の脱炭素化をめざし、総額2兆円規模の「グリーンイノベーション基金」を設けた。そのうちペロブスカイト型の実用化に向けて最大648億円を拠出して支援する。30年度までに社会実装する方針だ。

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