「メタバース役所」の利用で連携する桑名市の伊藤徳宇市長(左)と新潟県三条市の上田泰成副市長のアバター(分身)

大日本印刷(DNP)は7日、自治体の各種サービスを仮想空間上で利用できる「メタバース役所」の基盤システムを三重県桑名市と新潟県三条市に提供すると発表した。両市はシステムの共同利用によってコストを抑えつつ、災害時の有効性などを検証する。

8月下旬〜9月中旬にかけて、物理的に離れた両市がメタバース役所を共同利用する実証実験に取り組む。災害対策などのイベントを共同開催したり、住民や職員が仮想空間上で交流したりする。災害発生時の住民相談窓口としての活用も検討する。

DNPが提供するメタバース役所の共同利用モデルの料金は初期費用が100万円(税別)、月額利用料が62万5000円。最大同時接続数は50人。一つのメタバース役所を共同利用できるのは20自治体までとしている。

これまで桑名市ではメタバースを学童保育や職員採用説明会などに活用しており、好評だったという。仮想空間上で7日に開いた記者会見で同市の伊藤徳宇市長は「メタバースの電子申請の実用化も目指したい」と話した。

三条市の上田泰成副市長は「水害などをシミュレーションしてメタバース上で訓練することもありえる」と述べた。DNPはメタバース役所の関連事業で2028年度に10億円の売上高を目指す。

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