日鉄ステンレスは8日、8月契約分のステンレス冷延薄鋼板の一般流通(店売り)向け価格でニッケル系を1トン当たり2万円(4%弱)値下げすると発表した。値下げは6カ月ぶり。原料であるニッケルの国際相場の下落を反映した。
契約の前提となるニッケル原料価格は6、7月の平均が1ポンド当たり7.69ドルと5、6月から8%ほど値下がりした。中国の需要低迷やインドネシアの増産が意識された。
日鉄ステンレスは厚中板も1トン当たり2万円(3%弱)引き下げる。一方でクロムの相場が横ばいだったため、クロム系の冷延薄鋼板の価格は据え置いた。円相場は前月からの変動がわずかで、円建ての原料価格への影響は限られた。
国内市場では自動車生産の回復にともないクロム系の需要が戻りつつあるほか、半導体製造装置向けのステンレス需要も強いという。ただ大口の需要先である建設分野での引き合いは弱いままだ。価格の安い海外材の輸入量も引き続き高水準で、国内市況の下押し要因になっている。
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