リニア中央新幹線をめぐっては、JR東海が静岡県内で工事が着工できないことなどから目標としていた2027年の開業を断念しています。

22日、開業の延期が明らかになって初めてJR東海の丹羽俊介社長が長野県庁を訪れ、阿部知事と会談しました。

この中で、阿部知事は「進めてきたプロジェクトが開業時期の変更によって変わってしまう」などと述べ、地域に与える影響が大きいとして開業時期を早期に明らかにするよう求めました。

これに対し、丹羽社長は「静岡での工事着手の見込みがなく、開業時期は見通せないが、静岡県との実務的な意見交換をスピードアップしながら、地域の理解と協力を得ていきたい」と述べ、一日も早い開業を目指す考えを強調しました。

また、阿部知事が沿線地域の活性化に協力を求めたのに対して、丹羽社長は「行政の観光担当の部局と意見交換していて、開業前も、開業してからも、地域の発展にしっかりと力を尽くしていきたい」と答えていました。

阿部知事「時期が延びるというだけで済まされる話ではない」

会談後に取材に応じた阿部知事は「いち事業者の事業ではなく、鉄道の整備に関する法律にのっとった国にも関係する事業だ。地域の未来をどう描くか、開業時期が明確にならないと具体的な検討は進められない。JR東海にも国にも、強く要請していかなければならないし、開業時期が延びるというだけで済まされる話ではない」と話していました。

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