スマートフォン専業の証券会社、PayPay(ペイペイ)証券が6月末までに開設口座数を117万件に伸ばし、急速にシェアを拡大している。ソフトバンク出身の番所健児社長(46)は「ライバルは他社ではなく日本人の高い貯蓄率。業界のゲームチェンジャーとして、資産運用立国の実現に貢献したい」と意気込む。
6000万人超が登録する決済アプリ、ペイペイを通じて簡単に利用できるのが強み。投資に対するハードルを下げるため、口座開設の手続きを簡便にするなど、使いやすさにこだわる。「利用者目線に立ったサービスが広がれば、貯蓄から投資の流れが飛躍的に加速するはず」と強調する。
口座を開設した人の約半数が30代以下。利用者のほとんどは決済アプリを使ったときに付与されるペイペイポイントを使った資産運用を経験しているといい、「投資に抵抗感がある人でもポイントなら気軽に始められる。裾野を広げていくために大きな意味がある」と話す。
今後の課題は事業の黒字化だ。2021年の発足から赤字続きだが「着実に利益を出せるビジネス構造を築けている」といい、数年以内の黒字化を目標とする。「新NISA(少額投資非課税制度)でナンバーワンを目指す。ベンチャー企業として果敢にチャレンジを続けたい」【成澤隼人】
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