時計大手3社の2024年4〜6月期の連結決算が13日出そろった。各社とも前年同期に比べ増収増益となった。国内の時計事業での好調が目立った。高価格帯の商品が好調で、インバウンド(訪日外国人)向けの需要も旺盛だった。
同日発表したセイコーグループの連結純利益は45%増の34億円だった。国内では中心価格帯が50万〜70万円の高級時計「グランドセイコー」など高価格帯の時計が好調だった。同じく同日発表のシチズン時計は85億円と利益は36%増えた。販促費がかさんだものの、投資有価証券の売却益で増益を保った。
セイコーGは時計事業の順調などを受け、25年3月期通期の業績予想を上方修正した。純利益は前期比14%増の115億円と、従来予想から5億円引き上げた。
同社の4〜6月期の国内時計事業に占めるインバウンド比率は15%前後。米山拓取締役は同日のオンライン説明会で「前年同期の10%から一段上がってきている状況だが、今後も15%前後で推移するだろう」と話す。
シチズンのインバウンド比率は2割を超えた。特に中国からの観光客が増え、免税店などでの販売が伸びた。「西洋や米国などの地域はピークの19年を既に超えたが、中国はまだ回復の余地がある」(大治良高常務)という。
決算を1日発表したカシオ計算機の純利益は61億円と79%増えた。カシオのインバウンド比率は11%と24年3月期より3ポイント上昇した。遊休不動産の売却益などの特別利益42億円も利益を押し上げた。
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