企業向けに営業人材の育成支援を手掛けるXpotential(エクスポテンシャル、東京・千代田)は、商談の録音データから社員の営業スキルを判定し改善点を提案するサービスを始めた。営業の段階ごとに言動と成果の因果関係などを人工知能(AI)に学習させ、分析の精度を高めた。営業人員を多く抱える大手企業を中心に売り込む。
分析に使うシステムは顧客企業ごとに設計する。まず、同社のコンサルタントが理想の営業人材像などをヒアリングする。商談相手や製品の強み、代理店との連携といった企業や業種で異なる条件もシステムに組み込み、会社ごとに適切な判定ができるようにする。
利用する社員は営業段階などの項目と商談の音声や録画データをシステムに入力すれば、営業スキルの採点と改善策のフィードバックを受けることができる。音声を専用の機能で文字起こしした上で、AIが商談内容を読み取って分析する。
採点結果は「課題解決に向けたソリューションの方向性提示」など設定したスキルごとに1〜5点の5段階で表示する。AIが採点箇所を例示した上で、評価の理由と強み、改善点も文章で具体的に指摘することが可能だ。
エクスポテンシャルは営業組織のコンサル企業とデータサイエンス技術を基に営業人材の育成支援を手掛ける企業の2社が1月に経営統合して設立したスタートアップだ。今回のサービス開発には、前身のアールスクエア・アンド・カンパニーの営業ノウハウとトキハナツが持つ、営業案件の量と成果、個別の能力の因果関係などのデータを生かした。
2025年末までに100社以上の導入を目指す。営業人材の採点データは、受注率や成約率と組み合わせれば人的資本の開示項目としても使える。今後は管理職が営業チーム全体のスコアの統計や推移を閲覧できる機能なども追加していく。
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