滋賀県は23日、西武ホールディングス(HD)と包括的連携協定を締結した。西武グループの一員の近江鉄道(彦根市)を軸に県内のまちづくりで協力する。同社路線でのJR西日本の交通系ICカード導入をはじめ10項目27連携に及ぶ。県と西武HDは沿線人口の減少に直面する近江鉄道の再建を巡り急接近している。
大津市内で開いた締結式で西武HDの西山隆一郎社長は「西武のホテルは大阪にもあり、関西は重要エリアだ」と述べ、グループ創業者の出身地でもある滋賀県を西日本の事業拠点の一つとして重視する考えを示した。協定書を交わした滋賀県の三日月大造知事は「ここに書いてあることは着実に進めていかなければならない」と話した。
近江鉄道は4月、「上下分離方式」という再建策に移行した。車両や線路などの設備(下部)を県と沿線10市町でつくる近江鉄道線管理機構(彦根市)に譲渡し、近江鉄道は運行(上部)に専念する。レジャーを含めたまちづくりに西武グループが関与して地元を盛り上げていけば、近江鉄道の経営テコ入れに直結する。
三日月氏は4月、プロ野球・埼玉西武ライオンズの本拠地ベルーナドーム(埼玉県所沢市)で始球式を務めた。ライオンズの試合を県内に誘致する考えを示している。西山氏は23日の締結式後、「大きな検討課題だ」と語り、可能性を否定しなかった。
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